有権者が海外にいながら投票できる「在外選挙制度」は、事前に登録が必要になりますが、現在ほとんどの人が未登録です。このため7月の参議院選挙に向けて、外交官たちが制度のPRに奔走しています。
中国・上海の日本人学校の入学式。会場の一角に窓口を設けたのは、日本総領事館の外交官たちです。在外投票の登録を促すのが目的です。
「(情報は少ないが)誠実に日本のことを考えている人に投票したいと思っています」(登録に来た有権者)
実は、この投票制度、あまり評判が良くありませんでした。登録に少なくとも5ヶ月かかり、投票できるのは比例区に限られていたため、ほとんどの有権者が手続きをしていなかったのです。
その登録率は、世界の主要都市の中で最も高い上海でも12%余りにすぎません。「比例区しか投票できないのは憲法違反だ」とする一昨年の最高裁判決がきっかけで、ようやく選挙区も投票できるようになりました。
「これまで以上に選挙への参加意欲が高まるのではないかと思います」(領事館の職員)
外国に住み始めてすぐに登録資格ができるなど、手続きも簡素化されました。領事館員は上海に進出している企業を訪問し、「今、手続きすれば次の参議院選挙に間に合う」とPRしています。
外国との付き合い方が日本の将来を大きく左右する今、海外の有権者の目で国際感覚を持った議員を選ぶことも大切です。(25日08:40)